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生きる意味。






真夜中である。

月の位置から考えると、もう2時過ぎといったところか。

ふと目が覚め、起きてみるとすっかり眠気はどこかへ行ってしまった。

一旦こうなったら、二度と寝れなくなる体質だというのは、もう100年近くこの身
体と付き合っているので百も承知だ。

月には魔力があるとはよく言うが、あながち間違いではないと思う。

もう一度月を見てみると、引き寄せられるかのようで、月を見ながら散歩でもし
ようかという気分になった。

…誰か起きてないかな。

外に出ながら脳内で友人リストを開いてみる。

その内、夜型の太乙なら起きているかも、と検索結果が出て、乾元山へ足を運ぶ
ことにした。




乾元山の少し手前にカプセル状の物体が浮いている。

あれは…九竜神火罩?

持ち主の元にあるわけでないことと、内側からの衝撃が見て取れることから、ど
うやらナタクが中にいるらしい事が判る。

「出せっ!こんな物に入っている暇はない!!」

「残念ながら、君んトコの師匠は近くにいないようだよ」

もう一度辺りを見回してから教えてやる。

「ム。…その声は、か」

「そうだけど」

「ここから出せ」

「無理言わないでよ。今宝貝持ってないし、第一、太乙自慢の仙人界最硬宝貝の
コレなんか、宝貝使っても壊せないよ」

そんなの、中に入ってる、太乙の弟子であるアンタが一番よく分かってる筈。

「…それにしても、なんでそんなに戦いたいの?戦う理由は何?」

いつもなら、「そんな事に答えるヒマはない」と一蹴し、ひたすら自分を包む九
竜神火罩を開ける為に暴れ続けるだろう。

しかし、核心を突かれたか、ナタクは暴れるのを止め数秒間黙りこくってから、
口を開いた。

「…分からない」

また暫く黙ったが、続けて何かを言おうとしているのが判ったので、ただ黙って
、九竜神火罩に凭れ、ぼんやりと浮かぶ月を眺めて次の言葉を待った。

「…俺は何の為に戦うのか、何故戦うのか、分からない。ただ太乙が、俺が生ま
れてきた意味は戦うことだと言った。だから、俺は俺の生きる意味のために戦う。
…だが、結局戦いは壊すことだ。俺の本能では壊すことしか出来ない。失うもの
しかない。…得るものは何も、ない」

宝貝から、戦うために造られた少年。

彼にそんな思いがあったとは思わなかった。

「うーん、…何かを得るための戦いもあるけど、確かにナタクは得られたものは
少ないかもね。
…でも、戦いは常に『護る』ものだよ」

「…『護る』…?」

「仲間とか、誇りとか、国とか、もちろん自分とか」

黙った。

理解しようと必死に考えているのが伝わってくる。

「…俺は、『それ』をしたことがあるのか?俺には、壊す以外に生きている意味
があるのか?」

「ナタクは、どう思う?
…自分が何を『護った』か、何を『護る』のか」
…また、沈黙。

まだ早過ぎるだろう。この少年には。

破壊以外の戦いを考えもしていなかった彼には。

「…月が綺麗だよ。ナタク」

遥か彼方にある、陽の光を受けて輝くその天体を見つめながら、言う。

「…?」

視界を遮るそのフィルターがあるから、今は判らないだろうけど。

「いつか、開いたら判るよ」

沢山戦って、勝って、たまに負けて。

色々なモノを『護って』、『失って』。

視界が開けたら見えるようになるよ。

自分が生まれ、これまで生きて来て、これから生きて行く理由が。

言ってもきっと理解は難しい。だからとりあえず今は…

「とりあえず今は、生きる意味のために戦えばいいんじゃないかな」

結局、太乙と同じ事だけど。

それが一番大事だから、皆がそこに行き着く。

自分を探すために戦う。

それが一番大事なことに行き着く一番の近道。






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ナタクのキャラソンをテーマに書いてみました。
初のシリアス物!(感激。)
これは普通の小説でも良かったかな、とか思いました。
聞き手は望とか、太乙とか。
ヒロインはどの立ち位置なのか??「太乙」と呼び捨てなトコらへん、原始天尊の弟子とかそんな感じかな…
というかナタクだと結構ネタの幅が狭まる;;
無口だし。(それにしては今回かなり饒舌だけど?)
キャラソンは歌詞が切実(?)で、大好きですvv
アニメで雷震子に「お前はなんで戦うんだ?」って訊かれて「…分からない」とぽつり答えるナタクとそれに突っ込む雷震子がとてつもなく愛しかったv
でもよく考えると、ナタクは実は色々悩んでいたのかもしれませんね。
マンガでは、馬元が封神されたのを見て、ナタクは少し宝貝人間という自分の存在に少し自信が持てたのではなかろうか。
というか馬元戦のナタクはとにかく可愛い&カッコいいvvvv
あとそれを心配気に見てる太乙も可愛かったvv