雪うさぎ





、なにしてるの?」

「あ、普賢」

普賢は、しゃがみ込んで何やら作っていたらしいの隣にしゃがんで、の手元を覗き込んだ。

手のひらで包み込むようにして形を作られている最中の『それ』は、小さな赤い木の実で出来た愛らしい瞳を、手のひらの間から覗かせていた。

「雪うさぎ、だね。…へぇ、可愛いな」

「ふふ、ありがとう」

はにかみながら手を開いたは、そのまま雪うさぎに笹の耳をつけてあげた。

それを見た普賢は、自分も近くの雪をかき集め、作り始めた。

「わ、普賢、手冷たくない?」

そう言ったの手には手袋はついているが、心配されたように、普賢の手は素のままだった。

服もいつものものにマフラーを巻いただけで、かなり寒そうに見える。

「大丈夫だよ。毎年こうだから、慣れたんだ」

にっこり笑ってそう返すが、普賢の指先は赤くなってきていた。

それを見たは、自らの手袋を外し、それを雪の上に無造作に置いた。

普賢は少し驚いた様子で、その手袋を見た後、に視線を戻した。

「私も、そのままで作ってみようかな」

そう言うと、はまた雪をかき集めて握り始めた。

普賢を見て自分だけ申し訳ない、という気持ちもあったが、それよりも、自分も雪の感触を楽しみたい、という気持ちが強かった。

雪はとても冷たかったが、滑らかで、さらさらしていて、手のひらに心地よかった。

二人は少しの間、黙々と作業をしていたが、ふと普賢が口を開いた。

「こういうのって、いいよね。僕、雪うさぎって雪で出来てるけど、それでも一つ一つに生命ってあると思うんだ」

二人で生命を生み出してるんだよ、と言って、楽しそうに微笑んだ。

それを聞いてが雪ウサギを見てみると、確かに動いてしまいそうな何かが窺えるような気がした。




普賢は雪ウサギを作り終え、それを既に出来ていた雪ウサギに寄り添うようにそっと置いた。

が作った二つ目も寄り添わせると、大きさに違いが出て、親子のようだった。

「…勿体無いなぁ、明日になったら溶けちゃうかも…」

「じゃあ、冷蔵庫にいれておこうか。それで、春過ぎになったら、取り出してみる。

春は、目覚めの季節だから…」

動いちゃうかもしれないね、と少し浮き浮きしたような口調で、最後はに耳打ちをした。

…皆には、内緒にしておこう…





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初普賢ドリームでしたぁ〜
望ちゃんのと一緒に雪物書いちゃいましたv
ほのぼの普賢ドリームって憧れますvv
マフラー巻いた普賢が隣にしゃがみ込んじゃったら、水乃なんかイチコロですよっ☆(爆死)
雪ウサギも好きだ〜。
あのつぶらな瞳がたまりませんvv